ボストンでの生活で一番印象に残っているのは、ホームステイで感じた文化の違いでした。大学を休学してアメリカに渡り、最初に生活を始めたのがホストファミリーの家でした。日本とは違う習慣に戸惑うことが多く、最初の数週間は毎日が小さな挑戦の連続でした。
例えば、食事の時間です。日本では家族そろって食卓を囲むのが当たり前だと思っていましたが、ホストファミリーではそれぞれが好きな時間に食べることが多く、最初は少し寂しく感じました。冷蔵庫には自分の分の夕食が置かれていて、それを温めて一人で食べることもありました。けれどもそれは「個人を大切にする文化」からきていると知り、次第に理解できるようになりました。
また、家のルールも新鮮でした。シャワーの時間が短く決められていたり、電気はこまめに消すように言われたりしました。環境への意識が高く、日本にいた時よりも生活の一つひとつを考える習慣が身についたように思います。初めは注意されるたびに気を遣いましたが、そのうち自然に自分から行動できるようになりました。
言葉の面でも難しさがありました。リビングでホストファミリーが早口で会話していると、内容が半分も理解できないことがありました。笑いのタイミングに合わせられず落ち込むこともありましたが、勇気を出して「もう一度ゆっくり言ってください」と頼むと、みんな笑顔で応じてくれました。その瞬間、自分の不安は自分だけが抱えているものではなく、相手に伝えれば理解してもらえるのだと気づきました。Kaplan International Boston校から来たハウスメイトとも、この話を共有したら納得してました。
文化の違いに戸惑うことは確かに多かったですが、それを乗り越えたことで自分の考え方も広がりました。日本では当たり前だと思っていたことが、世界ではそうではないと知ったことは大きな学びでした。今振り返ると、あの戸惑いの経験があったからこそ、他の文化を受け入れる柔軟さが育ったのだと思います。